ゴールテープを切りたい君へ
主人公属性とは何だろうかと考える。
漫画やアニメだと、
徹底的に努力が出来る事、
仲間から慕われる人望、そして才能。
能力で言えば、
ゴレンジャーのレッドを始めとする炎使い。
また、るろうに剣心やREVEの主人公など剣使いも多い。
そしてこの主人公属性を持つ登場人物は最終的にヒロインと結ばれ、仲間と共に集合写真を撮り物語を終える。
当たり前だ、主人公なら鍛え抜かれた技と多くの人を集める人望があるから当然の結果だ。
現実でも同じように“主人公属性”に長い時間スポットライトが当たり、理想の進路を手にする。
天才棋士、甲子園の決勝まで一人で投げ向いた公立校のエース。
また、そうでなくてもちょっと歴史のある部活やサークルのエースやキャプテンでもそれなりに良い進路を残すことが多く、同じ大学、部活やサークルの語り草になる。
嫌味を言っているのではない。
己の自己実現の為、多くの他者にも自分にも時間を割いた彼らには輝かしい進路が開かれているべきだと思う、むしろそうであって欲しい。
一方で、多くの人は主人公属性を持っていない。
しかしながら大学や社会で活躍する主人公達のように多くの他者から尊敬や賞賛を得たいと思っている。
それに加え、輝かしい進路を望む。
もちろん私も主人公属性ではない、大学3回生の夏以降、サークル活動には数えられるぐらいしか行ってない。
その理由も他人より自己の進路の実現の為であった。
サークルの同期と遊ぶより社会人や他大学の人と活動する方が楽しく、中長期的に良い投資になると考えていた。
そしてサークルの人間関係を捨てて臨んだ一流企業の選考であったが2か月間考え抜き、何人にも添削してもらったエントリーシートも何十回も行った面接練習も海外論文まで閲覧して作り抜いたコミュニケーション能力も一流企業*1を受ける主人公属性たちの前では、メッキは簡単に剥げ、引き立て役になる事しか出来なかった。
結局私は主人公に勝つことも、主人公になる事も出来なかった。
話を元に戻したいと思う。
問題はここからである。
主人公属性を持たない私たちが現実の主人公属性達と同じ結末を望むと大変つらい思いをする事が多い。
そもそも主人公属性達は人望や鍛え抜かれた技、あるいは才能があるから理想の進路を手に入れられたのだ。
あいつらが「強く願い準備し続ければ夢が叶う」と言うのには再現性が無いのだ。私の卒業した大学には良い就職先に就職した在学生が自慢・・・ではなく就職活動についてアドバイスを行うセミナーがあった。
話者は放送局に内定を得た女性の方だった。
その方がしゃべった言葉は今も忘れない。「自分のペースをしっかり守り、自分を信じ続ければ夢は叶います。」薄っぺらいことしか言っていなかったが、一度聴いたら忘れられない程の美声だった。
私の先輩でメディアに入る為に下級生の頃から放送局でインターンシップを行い、学部で一番厳しいと言われるメディア系ゼミに入った先輩は放送局で働く夢が今も叶っていない。
先輩の努力は間違っているとは考えられないし、実力も十分で性格も素晴らしい方だった。それでも圧倒的な才能の前では叶わない事があるのだ。
大学サイドにも問題があると思う。
同じ大学（母集団）でありながらレベルが違う話者を選び講演を行う事で就活生に夢を見せるのは間接的な殺人だと思っている。
最低でも去年はこれくらいの人が、これぐらいの売上高の企業に入りましたというデータを重複でカウントせず公表する事が最初の仕事ではないだろうか。大学サイドが再現性の低い理想を声高々に言うからメディアしか受けないとか出版しか受けない自爆兵が生まれるんだ。
という事は主人公属性ではない、あるいは特別な才能がないと思ったら。
ゴールを主人公属性達と変える必要があると思っている。
また、人気の場所が良い場所という考えは改める必要があると考えている。
ハイアールという中国の家電メーカーを知っているだろうか。
ハイアールは売上高4兆1790億円の売上高を誇り、世界165カ国でグローバル展開を行う巨大企業である。
この会社の主力事業の確立には大手家電メーカーから事業売却された技術者や日系企業から戦力外通告を受けた技術者達が貢献したと言われている。
つまり、自分の価値というのは自分で作る方だって出来るし、自分で決める事だって出来るのだ。
もし自分が他人と比べて不幸だと思っているなら、
自分が今欲しいものを手に入れて幸せになれるのか考えて欲しい。
もしかしたら流行を追っているだけではないのか、
就職先の人気ランキングは毎年変動し大学生は踊らされる。
また、メディアやグローバルで活躍する事だけが本当に輝かしい事なのか、年収が良ければストレスに耐えられるのか。
本当に自分が欲しい物は何なのかを。
*1:どの業界でもあるであろう5大〇〇とか〇ビッグやcore30等
